さんしんの日
雪、積もらなかったなぁ
起きたら綺麗な雪景色かなって期待したのに、残念。
昨夜ゆんたくのカウンターでお酒をご馳走してくれた常連Tさん
今朝の飛行機で 40年暮らした東京を離れ古里沖縄に帰る。
本当は昨日の最終便で帰る予定だったのだけど、いざ 帰るとなると 長年暮らした東京を離れる不安と寂しさに耐えられない。もう今日帰るというのに、不動産に明け渡した家を出て向かった先は空港ではなく、馴染みの沖縄居酒屋
ママさんが
「Tさん、もう決めたんだから!帰らなきゃだめよ!皆だって本当は帰りたいんだよ、皆羨ましいんだよ」と励ます。
40年も暮らすときっとここ東京も古里のようになるんだろうなぁ
私はTさんとママさんのやり取りを横で聞きながら、 まだ私の人生にも足りない40年という長い歳月を考える。
大きな夢と希望を持って上京した18歳の青年。情熱のある仕事をし、恋をして結婚し、子供を育て、沢山の仲間と友情を育み…
Tさんの青春の全てが、ここ東京にあるんだろうなぁって
Tさんが呟く
「古里は、遠きにありて思ふもの…」
それからちょっと間があって
「でもすぐ帰りてっ!て俺はいつも思っていた」って可愛いく言った。
Tさんは涙を流していた。
私も泣いた。
沖縄を発った日の事を思い出していた。
沢山の友人が空港に見送りに来てくれたのは実のところ意外だった。
仕事が忙しいからってあまり連絡をとっていなかった友達でさえ私が内地に行く事を誰かから聞いて飛んで来てくれた。
皆の前では笑っていたけど、飛行機が地上を離れた瞬間涙が溢れて止まらなかった。
沖縄、遠いよなぁ、、、でも私もTさんのように 「すぐ帰りてっ」 て、心はいつも近くにありたい。
Tさんの東京最後の夜は雪。
ママさんが「見送る雪だね」って言った。
私もそう思った。
そして、今日3月4日は「三線の日」
沖縄三線の音が 40年ぶりに古里に帰ってきたTさんを優しく迎えてくれている頃だろう。
関連記事